【必読】リーディングで大切な2つの技術
skimming | 文章や段落全体の「大まかな」意味をつかむ。 |
scanning | 文章や段落の中から「特定の」意味をひろう。 |
紙をみて「ああ、これは時刻表だ」と判断するのがskimming。「始発は6時か」というのがscanningです。誰でも持っているスキルですが、英語の文章で長文になるとこのスキルの発揮が一気に難しくなります。これを支えるのは、日頃からの練度の高さ(確実で十分な語彙力と文法力に支えられた経験値)です。
原則、普段の読書と試験でのリーディングは分けて考えます。なぜなら「時間制限」があるからです。大まかな流れはこんな感じです。
タイトル、設問、画像、繰り返されるキーワード等から文章の大まかな意味を推定。長時間行わない。
文章を読み進めていき、前段階でみた設問の答え(特定の情報)が出てくるまで読む。基本的に問いの流れと長文の流れは一致していることが多い。つまり、問2の根拠は問1の根拠よりも前に出てくることは極めて稀。
英語の文章は1つの段落で1つのメッセージ (claim、筆者の良いたい事)で構成されている。1段落を簡単な言葉で表現すると、内容の整理ができる。もしくは、筆者の分かりやすいclaim表現があればそこに印をつけておく。
Claim 以外の残りの部分は全てそれを論証するためのデータや具体例。これらの情報の伝え方や技術を
Rhetoric (レトリック、修辞法)と呼ぶ。以下のようなパターンが複合的に使われる。
- 体験・物語
-
エピソードトーク。自身の体験談、第 3 者の物語を語る手法。過去形が主に使われる。過去形で語り、claimを現在形で対比させて主張するパターンもある。
- 例示
-
Claimに具体的な情報を列挙、追加するもの。「果物」という主張があれば、林檎とミカンを言及するイメージ。抽象 (Claim) → 具体 (例示) の流れを意識する。
- 定義
-
筆者なりの定義や分類を読み手に対して与える。例:「便利さ」とは「早さ」ということである。なぜなら…、例えば…
- 因果
-
通称 why – becauseともよばれる。因果関係を説明する手法である。
- 引用
-
ある分野の第一人者や研究者の見解を引用し、自分の主張を強化する手法。権威ある学者やデータであればあるほど、説得力は増す。
- 時系列
-
過去から現在に至まで、経緯や歴史をたどって説明する方法。「1」は主観的である場合が多いが、こちらは客観的な事実を述べるパターン。
- 対比
-
対照的なデータや見解をあげて、比較する方法。Aという常識や定説を述べておいて、Bという自分のclaimを対比させて主張する論法。
- 比喩
-
比喩には隠喩 (metaphor) と直喩 (simile) がある。「瞳はダイヤモンド」と言い切るのが隠喩、「ダイヤモンドのように綺麗」と言うのが直喩。なぜか日本語に訳されたときに「陰」と「直」のイメージが逆になってしまっている。
Download / ダウンロード
イチから鍛える英語長文 300 (レベル:★★★☆☆)
- ブロッコリーの効用
- 動物園で消費される象
- 砂漠の動植物の不思議な生態
- 嘘をつく子供はIQが高い?
- インドやアフリカの映画産業
- スキルの有無と収入格差
- 英国のサッカーの歴史
- 移民の子が2つの国の文化に精通する難しさ
- 魚は痛みやストレスを感じるか
- 人は皆演じている
- バイオマスエネルギーの利点と欠点
- ある筆者の日記
- 日本人のロボットに対する意識
- ケープコースト城の歴史
- いいリーダーの条件
👉 音源 (Zip File)
👉 音読用長文 (PDF File)
チャレンジ(レベル:★★★★★)
- 目に見えない仕事 (2021) 【解答動画】
- Frozen Yogurt (2020) 【解答動画】